コンプレッションハイトの短縮に加え、スカートも短くなっているので、全長は14mm程度短縮されています。 圧縮比の確保の為にピストントップが盛り上がっています。
ピストンの裏側の形状は全然違います。純正は比較的古い設計となっており、強度は出しやすい構造ですが、 重量がかさみます。対してXタイプの鍛造型はピンボスの外側が鍛造型の段階で大きく肉抜きされており、 かなり攻めたスリッパータイプとなっています。
スポーツエンジンにはコストを掛けても純正で鍛造ピストンを採用して欲しいですが、 コストの厳しい国産車ではなかなか難しいようです。ポルシェとかのエンジンだと純正でマーレーの かなり軽量なピストンが入っています。ボアがでかいエンジンはピストンで頑張ると 恩恵もかなり大きいです。
トップランドにある溝はコンタクトリダクショングルーブ、セカンドランドはアキュムレーターグルーブです。 コンタクトリダクショングルーブはシリンダーとの接触を減らし、異常燃焼時のスカッフ(焼き付き)を 最小限に抑えます。トップランドにカーボンがたまった際の悪影響も少ないです。
アキュムレーターグルーブはセカンドランドのガス容量を増やすことで高回転型、ハイブーストの エンジンのトップリングのフラッタリング(バタつき)を抑える効果があります。ピストンリングのシール性の 向上はブローバイガスの低減やオイル消費だけでなく、パワーアップにも効きます。
ピストントップはフル機械加工なのでピカピカです。使用するピストンリングはトップ1.0mm、セカンド1.2mm オイル2.0mmの低張力タイプで、フリクションを低減します。
測定の結果、重量は以下のように変化していました。
比較項目 | 純正ピストン | 2ZZショートピストン | 差 |
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ピストン本体重量 | 336.6g | 269.6g | −67g |
ピストンピン重量 | 89.6g | 62.0g | −27.6g |
重量合計 | 426.2g | 331.6g | −94.6g |