2ZZチューニング
ノーマルエンジンについて
2ZZ-GEエンジンは1ZZをベースに開発された高回転型のNAエンジンでボア82mm×ストローク85mmと1ZZと比較するとショートストロークとなっています。
ハイカムに切り替わると多少の気持ちよさは有るものの、良くも悪くもトヨタらしい実用エンジンとしての印象を強く感じます。素性は良いのでチューニングする事でローカム領域からトルクフルに、ハイカム領域をより伸びやかに仕上げる事が可能です。
参考までにいくつかメニューをご用意しました。
ECUチューニング
現車合わせセッティング
当社の一番の人気メニューです。純正のエンジンコントロールユニットのデータを書き換え、本来の性能を引き出します。費用対効果が大きく、ハードウェアの変更無しに性能を引き上げることが可能です。車輌を一週間程度お預かりし、エンジンの個体差や補記類、使用用途、お好みに合わせた最適化を行います。
機械式スロットル、電気式スロットル(バイワイヤ)の両方に対応致します。
ダイナパック(シャーシダイナモ)上にて何度も計測と微調整を重ね、各車輌の最高の性能を発揮できるよう仕上げます。
オーナー様の好みに合わせたスロットルマップを作成する事も出来ますので、より気持ち良く走る事が可能です。
エンジン本体の改造等にも対応出来ますが、改造の内容によりセッティング作業の内容、所要時間が大きく変化する場合、追加費用が発生する場合がございます。
基本料金 154,000円 (消費税込)
ダイナパック使用、施工前後比較グラフ付属
A/Fセンサーボス取り付け工賃別
ガソリン代、試走分高速代別
ECU単体書換
車輌の持込が難しい、吸排気等の変更が少ない場合に手軽に当社のECUチューニングを体感していただきたく、 ECU単体での書き換え業務を行っております。現在のところエンジン本体はノーマルに限り対応可能です。
吸排気の仕様に因っては現車合わせが必要となる場合もありますのでご了承下さい。
通常2営業日以内に返送いたします。 エンジン改造車両につきましては基本的に現車合わせでの対応となります。
基本料金 99000円(税込)
送料別
対象車輌でご来店頂き、その場での施工も可能です。
エンジンオーバーホール&チューニング
基本メニュー(Stege0、オーバーホール)
- ノーマルピストン、モリブデン系スカートコーティング
- ブロック上面&ヘッド下面 修正面研
- メインメタルWPC加工
- ピストン、コンロッド重量合わせ
- ポート段付き修正
- 燃焼室容積合わせ
- バルブシートカット(当たり幅変更、内径拡大)
- バルブ修正研磨
- バルブスプリング荷重合わせ
- その他各種加工、計測
約55万円(脱着工賃、油脂類別)
ECU再セッティング不要。
オプション
- ECU現車合わせセッティング 13万2千円~
- スリーブ組付け、ボーリング&ホーニング加工
- 強化オイルポンプ 3万5千円
- FRS純正寸法H断面コンロッド(幅広強化メタル対応) 6万6千円
- MOROSOオイルパン 約7万円
- FRSオイルパンバッフル 56650円
サーキット走行など高回転を多用する方には強化オイルポンプの組み付けをお勧めします。
サーキット走行等、大きな横Gを受けながらアクセルを開けるようでしたら当社バッフルキットやMOROSOのバッフル入りオイルパンを使用してください。オイルの空吸いはメタルの焼きつきの原因となります。
Stege1 ハイコンプ&ロングコンロッド仕様
- 5mmショートハイコンプピストン(圧縮比12.8、変更可)、WPC処理
- 5mmロングH断面コンロッド
- シリンダースリーブ加工
- ブロック上面&ヘッド下面 修正面研
- メインメタルWPC加工
- ピストン、コンロッド重量合わせ
- ポート段付き修正
- 燃焼室形状変更、容積合わせ
- バルブシートカット(マルチアングル化、当たり幅変更)
- バルブ修正研磨
- バルブスプリング荷重合わせ
- その他各種加工、計測
約70万円(脱着工賃、油脂類別)
ハイオクガソリンに最適化し圧縮比を上げると同時に専用設計のショートピストンとロングコンロッドを使用する事で連桿比を改善しフリクションを大幅に低減、全域のトルクを向上させます。ECU再セッティング推奨。
Stege2 3ZZ仕様
Step1より以下の変更および追加
- 91.5mmストローククランク
- 3mmロングH断面コンロッド
約95万円(脱着工賃、油脂類別)
ストロークを延長する事で基本メニューより約120cc増やし、さらにトルクを向上させます。
純正クランクを流用するので基本的にはストリート向けとなります。要ECUセッティング
Step3 3ZZ仕様サーキットスペック
Step2より以下の変更および追加
- 93.5mmストロークビレットクランク
- ノーマル寸法H断面コンロッド
約125万円(脱着工賃、油脂類別)
クロモリ鋼より削り出したクランクシャフトを採用する事で高回転の常用にも十分な耐久性を確保します。用途や好みに合わせてロッカーアームの強化、ハイカムの組み付けもお勧めします。
オプション
- ECU現車合わせセッティング 13万2千円~
- 強化オイルポンプ 3万5千円
- 強化ロッカーアーム 20万円
- ローラーロッカーアーム(ハイカム固定) 18万円
- MOROSOオイルパン 約6万円
- ハイカム各種 10万円~
- 強化バルブスプリング 約3万円
- 四連スロットル(要社外ECU) ASK
2ZZの特徴と注意点
シリンダー
ベースとなっている1ZZエンジンよりボアを3mm拡大しているのですが、ボア間の寸法マージンが少なくなる為、1ZZ同様に鋳鉄スリーブを鋳込む事は難しく、シリンダーをアルミブロックへセラミック溶射とする事で成立させています。セラミック層が薄く、ボーリング&ホーニングでのオーバーサイズ化ができず、シリンダーの磨耗に対処するには新品ブロックへの交換か、スリーブを入れる必要があります。
スリーブを入れる場合、アメリカのスリーブ専門メーカーのDARTON社より専用品が出ているため、これを使用するのが安価かつ簡単です。スリーブの仕上げにボーリング&ホーニングが必要ですが、その際にダミーヘッドを使用する事を強く推奨します。スリーブ無しだとエンジン組付け状態でシリンダーが真円にならず、様々なトラブルの原因となります。
また、スリーブ入れ加工一式で下穴加工等、大規模な切削を行うのですが、その際の切り粉がエンジンの各部に飛散するのですが、特にオイルラインに入った切り粉を完全に除去する事が難しく、他店で製作したエンジンでは度々問題が発生している場合があります。当社ではオイルギャラリーの両側のボールプラグを取り外し、ネジ式のプラグとする事で完全洗浄を実現しております。
手間はかかりますが、スリーブを入れる事により、シリンダーの真円度が高まりブローバイガスの低減、面租度の向上によるフリクションの低減等、費用に見合うだけのメリットが得られます。
動弁系
2ZZエンジンは1ZZエンジン同様の連続可変バルブタイミングに加え、ホンダのVTECと同様のハイカム切り替え機能が付いています。他社の特許回避の為、独自の機構になっているのですが、結果的にハイカム側の耐久性に問題を抱えています。高回転を多用すると当たり面が磨耗、カジリが生じ、パワーダウンや異音の原因となる場合があります。使用条件のほか、使用するオイルや個体差に左右されるようです。
特にハイカムや強化バルブスプリングに変更すると短期間で以上磨耗が発生しやすいく、当社では基本的にノーマルカム、ノーマルスプリングを推奨しています。
2ZZは8300~8500rpmと高回転型のエンジンですが、シフトダウンによるオーバーレブ時にバルブがジャンプし、着座の衝撃でコッター溝部で破断するケースが多々あります。対策として材質を強化したバルブに変更する事で破損を防止できます。