バルブシートカッターのサイズについて

NEWAYのバルブシートカッターは通常は刃の位置が調整できる構造になっています。どういうことかというと

刃を最も内側に移動した状態、両面式のカッターなので、ハブに当たる寸前が限界となります。
今回紹介しているサンプルはスタンダードシリーズでは小さめのCU230、本体直径31.8㎜(表記サイズ、黄色部分の実寸は31.4㎜程度)です。これより大きいものだと本体外径よりも多少内側に移動できます。

最大位置だと本体直径よりも大きな径を加工できます。このカッターの場合、30度側が38㎜、45度側が37㎜程度まで加工できそうです。

カッターを選定する際には基本的にはバルブと同等かやや小さめを推奨します。吸気側と排気側でバルブサイズが異なりますが、うまく調整範囲に収まる場合は1サイズで対応できる場合もあります。

選択に迷ったらお気軽にご相談ください。

点火プラグの交換時期 チューニングエンジンの場合

posted in: メンテナンス | 0

材料や製造技術の進歩によって純正の点火プラグの交換時期は大きく伸びていますが、サーキット走行などの高負荷運転時やチューニングエンジンの調子を維持するためには小まめな点検交換をお勧めします。

高負荷の状況下だと中負荷と比べて失火しやすくなります。そのような条件下で確実に火花を飛ばすにはプラグの状態が重要になってきます。

新品プラグの中心電極

電気火花、つまりアーク放電なのですが、特性として尖ったところから飛びやすいです。新品のプラグの中心電極は円柱状でヘリは鋭角です。

中古プラグの中心電極

使用距離1万キロ程度の中古プラグですが、中心電極のヘリが微妙に丸まり始めています。

仕様にもよりますが、街乗りと兼用の場合で1万~1万5千キロで交換、サーキット専用の場合は小まめに点検、一年に一度は交換して良いと思います。

プラグの焼け具合でエンジン不調の早期発見にもつながります。

ハーレー用 バルブシートカッターキット

KM2455EP
KM2455

今回はハーレーダビッドソン用のバルブシートカッターキットを紹介します。

NEWAY社では2種類のセットを用意しています。カッター、レンチなどは共通で、違いは付属のパイロットステムで固定式がKM2451、調整式がKM2455EPとなります。V-Rod以外に対応可能で、V-Rodへの対応は別途アップグレードキットが必要となります。

カッター詳細

Valve seat cutter for Harley Davidson
Harley Davidson専用カッター

31度と46度の両面式カッターはハブの突き出しが短いハーレー専用品です。直径38㎜と44.5㎜の2サイズ、角度は31度、46度、60度となります。

パイロットステム詳細

当社でお勧めしているのは調整式パイロットステムの方です。こちらはシンプルに5/16″, 11/32″, 3/8″の調整式と7.02㎜の固定式の4本が付属します。

対して固定式のセットだと19本組となり、付属のケースに収まりません。
5/16” 用 (5サイズ) -3, -2, -1, Std., +1
11/32” 用 (6サイズ) -4, -3, -2, -1, Std., +1
3/8” 用 (7サイズ) -2, -1, Std., +1, +2, +3, +4
7,02mm

価格が調整式のキットの方が3割程安いので、こちらを導入して必要なサイズのみ固定式を追加するのがお勧めです。付属の樹脂Tレンチよりイージーターンレンチに変更も可能です。

オンラインショップにて販売中です。

特注コンロッド製作例 クラシックカー用

posted in: Custom Rod | 0

しばらく前の例ですが、某クラシックカーイベント出場車両の仕様変更という事でご依頼頂いたケースです。下の方がこれまで使用していたもので、既に特注品に代わっていました。作りからするとヨーロッパ系の雰囲気ですね。

rod beam side view

ピストンは二輪用を流用するそうなので、それに合わせて寸法変更を行い、なるべく軽量になるよう指定して発注してあります。

元のコンロッド 566.8g(メタル付き)

製作例 415.2g(メタルなし)

メタルの分を考慮しても1/4程度軽くなっています。コンロッドが軽くなることでエンジンのレスポンス向上、ベアリングの耐久性向上等のメリットがあります。適切な強度が無いとエンジンの破損に繋がるので重量と強度のバランスが重要です。

今回の寸法だとH断面の方が軽くなるとの事だったのでH断面にしました。最近の普通四輪のコンロッド寸法だとI断面の方が軽くなる場合が多いです。

近年の純正コンロッドは設計技術の向上で軽いのは良いのですが、強度的な余裕が少なくなっているので改造の際には注意が必要です。コンロッドメタルもフリクションを低減する為にコンパクトになってきていますが、増加した慣性力や燃焼圧力を受け止めるには軸受け面積も非常に重要になります。流用で多少でも軸受け性能を改善できると耐久性も大きく改善できると思います。

新製品 ホンダ B型エンジン用 インジェクターアダプター

posted in: New item | 0

ホンダのB18C等に一般的なの寸法のトップフィードインジェクターを取り付け可能にするアダプターです。流用や既製品だと選択肢が限られ、使いたいものが無かった為にまとめて製作いたしました。インジェクターの選択肢が増え、最新のマルチホールインジェクター等が使用できます。

使用例 B18C純正と12ホールインジェクターの比較

SARD品番63567(先端径8.3㎜、3bar時380㏄、12ホール)が無加工で取り付け可能です。それ以外を使用する際には必要に応じてフューエルデリバリーパイプの固定ボルトにカラーを追加して寸法を調整してください。 

一台分4個のセットでアダプター取り付けに必要なOリングとインジェクター先端のグロメットが付属します。スマートレター(180円)にて全国発送可能です。こちらで販売中です

当社のDC2RにてLinkG4+、G4Xと併せてテストしておりますが、インジェクターの霧化特性が良くなることでアイドリングの安定性が激変、低負荷から高負荷まで全域調子良くなりました。セッティングが必要となるので、ECU変更の際に同時施工をお勧めします。

特注ピストン製作例 A14用 超軽量

posted in: Custom Piston | 0
A14_custom_piston_1

根強い人気を誇る名機、日産A14型エンジン用の特注ピストンの製作例を紹介します。

この手のエンジンを本気で追及すると、既製品にバルブリセスや冠面のカット等、追加工が必要になる場合が多いです。

そんな事なら丸ごと特注も選択肢に入ってきます。
リセス間の薄肉部が生じないように形状を指定してあります。

A14_custom_piston_3
裏側形状 オプションの3D軽量加工採用

今回発注したCP社の場合、ボア80㎜近辺だとクロスフロー2バルブ専用の鍛造型はありませんので、4バルブ用を使用し、機械加工で余肉を切除し軽量化する事で軽量に仕上げることが出来ます。

A14_custom_piston_2

単体重量僅か216g程度と、かなり軽量に仕上がりました。

A14_custom_piston_4

吸排気バルブの位置が気筒により異なりますので、リセスの向きで2種類あります。当然、裏側形状も対象になっています。このような場合も4気筒分から発注可能です。

もっとエンジンの性能を上げたい。そんな方の力になりたいと思っております。

NEWAY STDシリーズとスモールシリーズ比較

NEWAY社のバルブシートカッターにはスモールシリーズとスタンダードシリーズの2系統のラインナップがあります。上の画像のカッターだと左側がスモールシリーズ、右側がスタンダードシリーズになります。カッターのサイズ(本体直径)は左下の一点のみ33.3㎜、他は31.8㎜です。スモールシリーズは名前の通り、小さめのサイズに対応する為のカッターとなり、センターのハブのサイズが異なります。バルブサイズで27㎜~35㎜前後だとどちらでも対応出来るので選択の参考の為に違いを紹介致します。

各シリーズでセンターの穴径と六角部分のサイズが異なります。30度&45度の両面式カッターだと違いが顕著で、右のスタンダードシリーズはハブの外径により刃の内側への調整範囲が限られています。

片面カッターの場合にはハブ径の影響は少ないです。

レンチ、パイロットステムに互換性が無い為(*イージーターンレンチはアダプタ付きなのでどちらにも使用可能)、今後の使用予定等を考慮して選択出来ると拡張性が高まります。

サイズ的にどちらでも良い場合はスタンダードシリーズの方がハブの有効長が長く、カッターの安定性が高いです。価格はカッターは同等、固定式のパイロットステムがスタンダード用の方が若干高い程度です。

おすすめの内容にて提案いたしますので、お気軽にお問い合わせください。

ファンネルの作り方 プレス式

posted in: Tips | 0

アルミパイプとプレス、金型を使用してファンネルを製作する事が出来ます。左の状態から右に向かって成型していきます。

ファンネル側から見ると綺麗なカールが付いていることが分かります。

完成品。ファンネル側をテーパー拡大、フランジ側をテーパー絞りで目標のパイプ径に仕上げてあります。短い方は試作段階の失敗作。寸法の条件が悪く、変形しています。

金型作るのは大変なので、一般的には切削で成型する場合が多いです。

新製品開発中 シリンダーヘッドスタンド

NEWAY cylinder head stand
NEWAY社製 ヘッドスタンド

バルブシートカットの際のヘッドの固定に困っていませんか?

ヘッドボルト穴差し込みタイプが一般的ですが、乗せるのがやや面倒で、傾斜が付けられないのでシートカット向けではありません。

NEWAY head stand
NEWAY head stand

実はNEWAY社でもヘッドスタンドを販売しているのですが、デカく重たい為、輸送費で割高になるのであまり取り扱っていませんでした。何年も前ですが試しに取り寄せて使ってみると載せるだけというシンプルさが意外と使いやすく、傾斜も付けられるため現在ではポート研磨にも使用しています。長期間使っていると欠点も見えてきたので気になる個所を改良しつつ、国産で製品化を進めています。

FRS cylinder head stand
FRS cylinder head stand

試作段階ですが完成しましたので今回紹介いたします。板金製で軽量、重ねてコンパクトに収納できるようになっています。寸法や形状に関してはこれからもう少し改良を加える予定です。

完成したら再度紹介します。ご期待ください。

Lotus ECUトラブルコードとECU書換え

posted in: ECU, Lotus | 0

好評いただいているLotus純正ECUの書換えですが、チェックランプの点灯に関してお問い合わせが多いので簡単に紹介しておきます。

対応(解消)できるエラーコードと対応できない物があります。

対応できるコード

  • P0420 触媒エラー スポーツ触媒交換時に良く出ます 全モデル対応可能
  • P0171 燃料系 リーン過剰 燃料が薄すぎる 現車合わせで対応可能
  • P0172 燃料系 リッチ過剰 燃料が濃すぎる 現車合わせで対応可能

P0420エラーはO2センサーにアダプタをかます方法もありますが、フィードバックが遅れてハンチング気味になるのでお勧めできません。当社の書換えライトにて安価に不具合無く対応可能です。
燃料系のエラーはエアフロメーター周りの形状が不適切な場合、計測誤差が大きくなり、補正が過大となっている場合もあります。その場合ハードウェアの改造、変更が必要になります。

対応できる可能性があるコード

  • P0131 O2センサー1 低電圧 燃調が原因の場合、現車合わせで対応可能
  • P0132 O2センサー1 高電圧 同上

その他のコードの場合、基本的にハードウェア上の不具合を解消する必要があります。

T4E ECU(1ZZ&2ZZ)に限り対応可能なコード

  • P0133 O2センサー1 スローレスポンス
  • P0139 O2センサー2 スローレスポンス
  • P0301,P0302,P0303,P0304 ミスファイヤ

仕様によってはエラーを誤検知する場合があり、そのような場合のみECU側でキャンセルします。

詳細はお気軽にお問い合わせください。