前回の記事の続きです。
エンジン内視点検
プラグチェックと同時に内視鏡にて燃焼室を点検するのですが、どの程度見えるのか紹介します。
バルブの当たりの状態やシリンダーのクロスハッチも見えます。
スマホ接続の内視鏡など比較的安価に入手可能になりましたが、エンジン内の点検だとデュアルカメラ、短焦点が使い勝手が良いです。
気筒毎のばらつきやデトネーションがないことを確認しながら進めていきます。
チューニングの結果
変更前にはブースト制御が介入していた6000回転近辺でトルクが落ち込んでいましたが、落ち込みが無くなりスムーズにパワーが伸びるようになり、点火時期、燃料、バルブタイミングの変更で全域のトルクが増加しました。サーキットでも乗りやすくタイムが良くなる仕様です。
実走セッティング
仕上げに試走しながら確認、調整を行います。Elise系の場合シャーシダイナモ上だと補正の学習が十分に機能しないので実走が必要です。
純正ECUは車両毎の個体差や気象条件等による誤差をフィードバック制御で補正するのですが、Lotusの場合補正量がある程度以上になるとチェックランプが点灯します。せっかくECUのチューニングを行っても意図しない補正の入り方をすると台無しになるので補正の量も確認しながら仕上げを行います。
エレメント交換式以外の社外のエアクリーナーになっている場合、結構補正が多くなりがちです。
スロットル特性の調整
仕上がるにつれて2ZR特有のアクセルペダル踏み始めのもっさり感をが気になったので調整しました。ここまで不自然だとV6車両のトルク感を際立たせるためにあえてスポイルしているのでは、と勘繰ってしまいます。アクセルケーブルの遊びが多いような状態だったので遊びを少なく、踏み始めから反応が良くなるように調整しました。
ノーマルは灰色の線のようにある程度開度が増えないと反応せず、反応してもゲインが少ないのを自然な状態に変更。ツアーモードでも気持ちよく走れます。
スポーツモードも、トルク感のあるフィーリングに調整して完成となりました。
車両の仕様、オーナー様の好みに応じて調整出来るのが当社の強みです。
特に問題が無ければ1週間程度で完成します。
納車時に試走していただき、希望があれば味付けを変更出来ます。