エンジンパーツ大量入荷&ブランド紹介

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特注ピストンを始めとするエンジン部品が入荷しました。ピストンが全て特注で20気筒分くらいでした。検品が大変ですw
一部を紹介します。

コスワースBDR(BDA?)用のオーバーサイズピストン。JE製、80.5mm、ボアに加え、寸法を少々変更してあります。

コンプレッションハイトが45mmと高いので、ピンボスの上側の肉抜き軽量化のオプションを追加。50g以上軽くなりました。コスワースのピストンは当時の仕様で生産が続いているようです…。低フリクションのリングが使えるようになるだけでもパワーアップすると思います。名機とは言え、アップデートは効果的だと思います。

コンロッド専門メーカー Molnartechnologies社の紹介

以下、会社紹介より引用&翻訳します。
35 年以上にわたり、私は高性能レースの世界向けに最高品質のコンロッドとクランクシャフトの設計と製造に人生を捧げてきました。私の新会社MOLNAR TECHNOLOGIESはこの取り組みの継続であり、業界で最高品質の部品と最高の顧客サービスを提供することに専念しています。部品を購入できる場所はたくさんありますが、当社の終わりのない使命は、最高の部品をお客様の投資に見合った最高の価値で提供することです。-以下略

コストと品質のバランスが良好なのでお勧めします。重量も比較的軽量な物が多いです。ボルトは通常ARP2000の3/8インチとなります。Eagle社やScat社よりワンランク上のクオリティーです。特注も対応可能ですが、少量は非対応で10台分(40本)からとなります。

日産トヨタホンダマツダ三菱スバルスズキ
RB25/26
SR20
QR25DE
VG30DETT
VK56
TB48
VR38
4U-GSE
4A-GEC(86)
4A-GE(92)
3TC
1JZ
2RZ-FE
1NZ-FE
2JZ-GTE
2JZ-GE
1ZZ-FE
2AZ-FE
1GR-FE
3UR-FE
B16
D16
D17
B18A/B
B18C
K20A Light
K20A Turbo
F22/B20A5/H23
L15
K24 Light
K24 Turbo
R18A
2.3 Duratec
B6/BP
2.0LProtégé
2.3L DISI
MZR 2.5L
4G93
4B11 EvoX
4G63 Gen2
FA20
EJ20/EJ25
EJ25 NA
G13
M18
G16 A/B D
ラインナップ例

当社在庫予定モデル
4A-GEC(40mmクランクピン、20mmピストンピン仕様)
1ZZーFE
B18C
価格は4気筒用で8万円前後になります。

今の時代、個人でも簡単に取り寄せは出来ますが、不具合があった場合に大変な目に合います。

他のモデルはメーカー取り寄せとなります。ご希望の物がありましたらお問い合わせください。

Rover Kシリーズ用ピストン製作例

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特注ピストンは製作回数が多い車種用だとノウハウの蓄積により完成度が高くなる場合が多いです。RoverのKシリーズ用のピストンも結構な回数製作しており、品質に自信があります。

ボア80㎜で約220g、かなり軽量です

ノーマルのスリーブだと、真円度が低く、ブローバイガスやオイル消費が多くなりやすく、フリクションも大きくなりがちです。固定もヘッドで押さえつけてあるだけなのでガスケット抜けが定番トラブルとなっています。ベースの1.4Lから1.8Lまで拡大した結果、ピストンの寸法にも若干無理があり、棚落ち等のトラブルが発生している車両も見受けられます。対策としてシリンダースリーブを製作、圧入してからダミーヘッドを取り付けボーリング&ホーニングを行うケースが増えています。

今回のピストンも圧入スリーブ用で製作しています。

ピストンピンは純正が圧入タイプですが、フルフロー用で製作、コンロッド小端部肉厚にあまり余裕がないのでピン径を縮小することでブッシュ分の寸法を稼いでいます。

裏側形状

ピンボス周りの肉抜きやピンボス間の肉抜き等で重量を削っています。ラウンドタイプの鍛造型を使用していますが最終的な形状はスリッパータイプに仕上がっています。

当社の特注ピストンは特定の車種を専門的に手掛けるショップさんや、やり込み志向のプライベーターさんからの注文もあり、要望に応じて様々な改良を提案しています。

特に古めの車両だとピストンとコンロッドを同時に製作すると大きく性能を伸ばせる場合があります。

特注ピストンの詳細はこちらをどうぞ。

CP社、JE社、Wiseco社での製作が可能です。各メーカーそれぞれ特徴、得意不得意があり、なかなか面白いですよ。

7AG 16バルブヘッド用ピストンの製作例

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前回の20バルブ用に続き、16バルブ用を紹介します。

16バルブよりバルブ径もバルブリフトも大きくなるのでバルブリセスが深くなります。
設定圧縮比12.5(0.8㎜ガスケット使用時)でもピストントップの盛り上がりは少なく済んでいます。

ボア83㎜、かなり軽いです。

スカート長は長め、ピンオフセットの設定もしています。ストリート使用でも調子よく使えます。

こちらも一台分だけオンラインストアで販売中です。

7AG 20バルブヘッド用ピストンの製作例

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7A-FEという実用エンジンに高性能版の4AG用のヘッドを載せる7AGですが、基本的に16バルブ(92後期)、20バルブ(AE101orAE111)のシリンダーヘッドを使用する場合が多いと思います。これは7A用5mmロングコンロッド+AE111ヘッド用で製作した例です。

単体重量は243gと超軽量

このトップ形状で圧縮比12.5:1になります。4AGだともっと盛り上がった形状になります。これがストロークアップの恩恵で、ピストン容積をあまり稼がなくても十分な圧縮比が確保できます。燃焼室形状が良くなり、燃焼状態も良くなります。結果としてストロークアップ以上にトルクが出せます。

最新のスリッパータイプのスカート形状

スカート長も長めの寸法を指定して耐久性や静粛性に配慮しています。

ピストンピンオフセットも設定してあり、鍛造ピストンにありがちなスラップ音も出にくいです。

Xタイプ鍛造型使用

CP社のXタイプ鍛造型を使用しています。

各部に当社のノウハウが注ぎ込まれています。

一台分のみ在庫あり。オンラインストアで販売中です。

Cosworth BDR用 特注ピストン

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bore 85mm, comp. height 25mm, weight 276g

名門コスワースの名機BDR用に2種類の特注ピストンが完成したので紹介します。

一つ目はボア85㎜、すでにロングコンロッド化されており、既存のピストンが使用できないので特注製作となりました。形状は鍛造型との相性も良く、追加の軽量化工無しで276gとなかなか軽量になりました。

コンプレッションハイト(CH、通称ピンハイト)が約1インチとかなり思い切った寸法になっており、元のピストンは寸法設定の影響で溶損していました。今回はトップランド寸法を稼ぐためサポートレールを採用し、トップランドの厚みを増して対策しています。

迫力のトップランド幅 ピン穴とオイルリング溝の激しいオーバーラップ設定

オイルリングが脱落しないようにリング溝内の下側にピストンリング状の部品(サポートレール)を装着してからオイルリングを組付けます。

BDR 90.5mm

もう一つはボア90.5㎜と大分デカいです。フラットトップに深いリセスで重くなりそうだったので軽量加工有りでの発注にしました。

ノーマル寸法

こちらはコンプレッションハイトも純正と同等です。約36.7㎜と1.5倍近く高いです。

CPの3D軽量加工オプション MILの加工跡

重量は358gで純正の390gと比較するとまあまあ軽くなりました。軽量加工無しだと純正と同等かやや重たくなっていたと思われます。

IN側バルブリセス

とがったエッジが出来やすい場所ですが、図面で処理を指定しています。絶妙な形状に仕上がっています。

エンジン屋ならではの気遣いで製作しております。ピストンの供給や仕様でお困りの方はご相談下さい。

特注コンロッド製作例 クラシックカー用

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しばらく前の例ですが、某クラシックカーイベント出場車両の仕様変更という事でご依頼頂いたケースです。下の方がこれまで使用していたもので、既に特注品に代わっていました。作りからするとヨーロッパ系の雰囲気ですね。

rod beam side view

ピストンは二輪用を流用するそうなので、それに合わせて寸法変更を行い、なるべく軽量になるよう指定して発注してあります。

元のコンロッド 566.8g(メタル付き)

製作例 415.2g(メタルなし)

メタルの分を考慮しても1/4程度軽くなっています。コンロッドが軽くなることでエンジンのレスポンス向上、ベアリングの耐久性向上等のメリットがあります。適切な強度が無いとエンジンの破損に繋がるので重量と強度のバランスが重要です。

今回の寸法だとH断面の方が軽くなるとの事だったのでH断面にしました。最近の普通四輪のコンロッド寸法だとI断面の方が軽くなる場合が多いです。

近年の純正コンロッドは設計技術の向上で軽いのは良いのですが、強度的な余裕が少なくなっているので改造の際には注意が必要です。コンロッドメタルもフリクションを低減する為にコンパクトになってきていますが、増加した慣性力や燃焼圧力を受け止めるには軸受け面積も非常に重要になります。流用で多少でも軸受け性能を改善できると耐久性も大きく改善できると思います。

特注ピストン製作例 A14用 超軽量

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A14_custom_piston_1

根強い人気を誇る名機、日産A14型エンジン用の特注ピストンの製作例を紹介します。

この手のエンジンを本気で追及すると、既製品にバルブリセスや冠面のカット等、追加工が必要になる場合が多いです。

そんな事なら丸ごと特注も選択肢に入ってきます。
リセス間の薄肉部が生じないように形状を指定してあります。

A14_custom_piston_3
裏側形状 オプションの3D軽量加工採用

今回発注したCP社の場合、ボア80㎜近辺だとクロスフロー2バルブ専用の鍛造型はありませんので、4バルブ用を使用し、機械加工で余肉を切除し軽量化する事で軽量に仕上げることが出来ます。

A14_custom_piston_2

単体重量僅か216g程度と、かなり軽量に仕上がりました。

A14_custom_piston_4

吸排気バルブの位置が気筒により異なりますので、リセスの向きで2種類あります。当然、裏側形状も対象になっています。このような場合も4気筒分から発注可能です。

もっとエンジンの性能を上げたい。そんな方の力になりたいと思っております。

ファンネルの作り方 プレス式

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アルミパイプとプレス、金型を使用してファンネルを製作する事が出来ます。左の状態から右に向かって成型していきます。

ファンネル側から見ると綺麗なカールが付いていることが分かります。

完成品。ファンネル側をテーパー拡大、フランジ側をテーパー絞りで目標のパイプ径に仕上げてあります。短い方は試作段階の失敗作。寸法の条件が悪く、変形しています。

金型作るのは大変なので、一般的には切削で成型する場合が多いです。